秋桜

窓から顔を出してみたら 風がとっても優しくて 

ついこの間までの暑い夏がいつのまにか過ぎていったのに気づいた

 

ふっと目を閉じてみたら

一年前の秋のあの山の 風に吹かれるたくさんのやさしい花の香りを思い出した

誰がつけたのか-秋桜-この言葉が「ぴったり・・・・・」そっと 声にだしてみた

一面に敷き詰めたように咲き誇り、風に吹かれ空に向かって顔をむける・・・・

ピンク、ローズ、白、そして黄色にオレンジ・・・・

澄み切った青空、優しい雲、爽やかな風、心にしみる音楽・・・・

走り回る子供たちの声、一生懸命カメラを覗き込む人、香りを楽しむようにベンチでまどろむ人・・・・

ここはどこ?

そんなふうに違う世界にいるような そんなおとぎの世界のお花畑に迷い込んだような・・・・

 

ふっと顔にあたる風に目を開ける 

まだ あの季節には早いけど 「秋はもうすくそこだよ・・・・」

そんな声が聞こえたような・・・・

 

日差しをさえぎり帽子を目深にかぶり 流れる汗に顔をしかめる

こんどはそれが懐かしく・・・

 

季節は変わる・・・・あなたの秋は?

そんな問いかけが聞こえたような・・・・